歯科検診に行くべき頻度・年齢は?年齢・男女別の受診率も現役歯科医師が詳しく紹介!

「歯科検診に行った方が良い」とよく耳にするけど、

「歯科検診は定期的に通うべきと聞いたけど、歯科検診ってそもそも何するの?」
「歯科検診に行きたいけど、値段がどれくらいか分からないため不安」
「歯科検診をなるべく安く、できれば無料で受けたい!」

こんな疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか?

今回はそれらに答えるべく、歯科検診に行くべき頻度や年齢、検診の内容について解説していきます。

そもそも歯科検診って行かないといけないの?

定期的に歯科検診を受診し、虫歯や歯周病などの歯科疾患を早期に発見するのが望ましいです。
歯科疾患が進行すると歯を失うことに繋がります。その結果、食生活に支障をきたしたり、全身の健康に影響を与えたりするのです。

歯科疾患は自覚症状を伴わずに発生することが多く、疾患がある程度進行した時点で痛みなどの症状が現れるため、早期発見を目的に定期的に歯科検診に行くようにしましょう。

歯科検診に行くことで得られる具体的なメリットを以下に記述します。

ー虫歯や歯周病などの早期発見・早期治療

歯科検診に通うことで、定期的に口内環境が整うだけでなく、虫歯や歯周病などの早期発見につながります。早い段階での治療は、痛むことが少ない上に、治療のために費やす時間や費用も抑えることができます。

悪化した後に治療を始めると、痛むことが多く、治療に時間・回数がかかったり、費用が高くなるので注意しましょう。

ー虫歯や歯周病などの予防処置

虫歯予防のフッ素塗布など、さまざまな予防処置を受けることも可能です。自分だけのチカラで歯を健康的な状態に保ち続けるのは難しいので、歯科検診を受ける方は、予防処置についても検討してみるとよいでしょう。

歯科検診に通う頻度は、平均すると3~6か月に1回

歯科検診に通う頻度は、もちろん人によって異なりますが、多くの人が3〜6か月に1回通うことになります。
とはいえ、年齢によって推奨頻度が異なりますので、世代別でオススメの通院頻度を紹介します。

①子ども

3〜6ヵ月1回のペースで、歯科検診に通うことをオススメします。子どもは歯の磨き残しが多かったり、乳歯が虫歯になりやすく進行が早いです。また、成長期で歯やあごの変化が大きいので、何か異常があればすぐに歯科検診に行くほうがよいでしょう。

②大人

3〜6か月に1回の歯科検診がオススメです。時間があまり取れないという方でも、6か月に1回ほど通院するのがよいでしょう。営業職などのコミュニケーションを取ることが多い方は、3か月に1回のペースで受診して、歯のクリーニングなども受けると清潔感が出ます。

③高齢者

1〜2か月に1回の受診をオススメします。年齢を重ねるにつれ、エナメル質がすり減ったり、歯茎がやせたりと、歯の病気にかかりやすい口内環境になります。また、歯の病気は脳梗塞や糖尿病、心疾患などの全身の病気につながることもわかっているので、高齢の方の歯科検診は特に重要です。

通院が困難な方は、ご家庭に医師が訪問するサービス(訪問歯科)も利用することができます。

1回の歯科検診にかかる時間は30分~1時間

かかる費用や時間がわからないので、歯科検診をためらう方は多くいらっしゃると思います。
しかし、1回の歯科検診にかかる時間は30分〜1時間程であり、そう長くはありません。

歯科検診の内容

では30分〜1時間の中で、具体的にどんな診療をするのかを紹介していきます。

・虫歯や歯周病の確認

虫歯は世界で最も多い疾患として知られており、未治療の虫歯は日本人の多くに存在します。さらに近年は高齢者において、虫歯が増加しています。

また、歯周病は、歯の周囲の汚れ(歯垢)のなかに含まれる細菌の毒素で歯ぐき(歯肉)に炎症が起き、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けていく病気です。

しかし、虫歯も歯周病も発症すると、なかなか自然に治癒する症状ではありません。
歯周病は、特に初期の段階では自覚症状がほとんど出ないので、歯科検診を受けないと自分が歯周病なのかわからないことが多いです。

・歯垢や歯石の除去

虫歯や歯周病の原因には、歯垢や歯石といったものがあります。

歯垢が長期間、歯の表面についており、石のように硬くなったものが歯石です。

そのため、虫歯や歯周病の予防には、まず歯垢を残さないようにするための毎日のブラッシングが肝心です。しかし、少しでも取り残すとそこから増えますので、正しい歯磨きで歯垢を完全にとることが必要になります。

とはいえ、セルフケアの歯磨きだけで口の中から、100%完全に歯垢をなくすことは困難で、数か月程度でたいていの方には歯石が沈着してきますので、歯医者で定期的に歯石除去(スケーリング)をすることが望ましいです。

・レントゲン撮影(初診時・年に1度)

疾患が見えない場所で発生していることも多くあります。これを把握するためにはレントゲン撮影が必要です。
個人差もありますが、多くの歯科医院で初診時と年に1度くらいのペースでレントゲン撮影します。

・治療(症状の有無による)

小さな治療であれば、そのまま治療に移ることもあります。
しかし、多くの場合治療には一定の時間がかかるため、次の予約日に治療に移ることになります。

歯科検診には何歳から行くべき?

結論から言うと、早いほどよいため、会話ができて自分で口を開けるような年齢、つまり2、3歳からであれば歯科検診に行くべきだと思います。

また、日本はスウェーデンやアメリカ、イギリスと比べて歯科検診に通う割合がかなり低いです。
老後に歯を失わないためにも、なるべく早く歯科検診に通うことをオススメします。

年代・男女別での歯科検診の受診率まとめ

年代男性女性
10代30.9%22.8%
20代23.1%25.8%
30代30.2%34.4%
40代33.8%41.4%
50代34.2%48.1%
60代41.6%53.9%
調査期間2019年3月22日~2019年3月27日
(引用元:いとうあさこ、歯の裏にある突起の原因を歯医者に聞くと… 診断結果に驚き – Sirabee

特に女性は、年代があがるごとに歯科検診を受ける割合があがっていきます。虫歯などの痛みや口臭が気になって歯科検診に通い始める人が多いと思います。これらの症状が出る前に、歯科検診に通い始めることをオススメします。

まとめ

歯が健康的であることは、人に良い印象を与えるだけでなく、全身の健康にもつながります。費用面や時間面を考慮しながら、ぜひ自分にあった歯科検診を見つけてみましょう。

記事執筆者
廣瀬哲人

株式会社ENロジカル代表
京都大学医学部医学研究科在学中に脳神経の形成機構の研究に従事。
在学中に起業し、事業売却を経験。
自身もwebのディレクターとして従事し、経営する会社ではいくつものwebメディアを運営している。
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記事監修者
歯科医師/岡本孝博

高知県の僻地出身
高校卒業後、アパレル業界へ。デザイナーを経験後、歯科医師になる。
2008年より、京都大学医学部附属病院に勤務。基幹病院病棟医長/外来医長、地域基幹病院歯科口腔外科の所属長、地域医療連携における部門部長、難治性外来非常勤医師を務める。また、研修指導医取得はじめ数々の認定医資格を取得
2018年に㈱スクリエを創業

共同記事監修者
管理栄養士/西岡愛梨

管理栄養士として大手医療法人の病院や介護老人保健施設に勤務しながら、大阪市立大学大学院へ進学。当時の研究テーマで日本病態栄養学会の若手研究特別賞を受賞した過去をもつ。現在は後期博士課程に在籍しながら、京都大学や地域中核病院での研究調査に携わっている。

西岡愛梨