歯垢と歯石。この2つの違いがわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は歯垢と歯石の違いについて解説します。
歯垢がなぜ溜まるのか、どのように予防していけばいいかについても解説します。
歯垢についての知識を深め、健康的な口内環境を作りたい方はぜひ参考にしてください。
記事監修者
歯科医師/岡本孝博
高知県の僻地出身
高校卒業後、アパレル業界へ。デザイナーを経験後、歯科医師になる。
2008年より、京都大学医学部附属病院に勤務。基幹病院病棟医長/外来医長、地域基幹病院歯科口腔外科の所属長、地域医療連携における部門部長、難治性外来非常勤医師を務める。また、研修指導医取得はじめ数々の認定医資格を取得
2018年に㈱スクリエを創業
歯垢と歯石の違いは?
歯垢(プラーク)とは、食べかすや細菌のかたまりのことです。
放置すると、歯周病や虫歯の原因になります。歯垢は、白くねばねばしており、歯の表面に付着しています。
食後8時間程度で発生すると言われ、歯垢1mgにつき、300種類程度(1億個程度)の細菌が存在しています。
通常、歯に付着した細菌の多くは、唾液で流されます。しかし、唾液の流れが悪い場所では増殖を続けて歯垢を作り出します。
歯垢が発生しやすい場所としては主に以下が挙げられます。
- 歯と歯茎の境目
- 歯と歯が重なる部分(歯並びの悪さによる)
- 抜歯した歯の付近
- 奥歯の噛み合わせ部分の溝
- 歯と歯の溝
一方で歯石とは、歯に付着した歯垢が口内の成分と結合して発生するものです。歯垢を放置すると、2〜3日程度で石灰化が始まり、歯石へ変化します。歯石を放置することで、歯周病や虫歯に加え、口臭の悪化の原因にもなるため注意が必要です。
その他の歯石が形成されやすい場所としては唾液腺開口部のある以下の箇所が挙げられます。
- 上の奥歯の表側
- 下の前歯の裏側
歯石は自身では除去しにくいものです。
そのため、定期的に歯医者に行き、歯石取りを行う必要があります。
歯垢が溜まりやすい人の特徴は?
歯垢が溜まりやすい人にはいくつかの特徴があります。
次に挙げる特徴を抑え、歯垢予防に努めてください。
【歯垢が溜まりやすい人の特徴①】歯磨きが上手くできていない
歯垢は、磨き残しによって発生し、溜まりやすくなります。
歯垢を残さないためにも、歯と歯の間や歯と歯茎の間、奥歯の噛み合わせ部分などをしっかり磨く必要があります。
【歯垢が溜まりやすい人の特徴②】歯列矯正を行っている
歯列矯正をしている人も歯垢が溜まりやすいケースがあります。特にワイヤー矯正の場合、取り外しができません。そのため歯磨きがしづらく、汚れや食べかすが溜まりやすくなり、歯垢が発生しやすくなります。
ワイヤー矯正は天然歯の時よりも、構造的に複雑になるため、歯垢が溜まりやすいです。
そのため、清掃性を上げるグッズを増やしてください。また取外しが可能なマウスピース矯正を検討するのもおすすめです。
【歯垢が溜まりやすい人の特徴③】歯並びが悪い
歯垢は、歯並びが悪い場合に溜まりやすくなります。歯と歯の重なる部分が多い程、歯磨きがしづらくなり、歯垢が溜まりやすくなります。
気になる方は、歯列矯正を検討してください。
【歯垢が溜まりやすい人の特徴④】歯垢の原因となる食べ物を食べる
食べかすを残したままにすると、ベリクルと呼ばれる被膜が形成され、静電気作用によって歯垢が沈着していきます。たとえばキャラメルのように歯の表面に付着しやすい食べ物は、歯垢が増える原因になるため、注意が必要です。
歯垢を除去・予防する方法とは?
歯石は、自身で除去するのが難しいです。
しかし、歯垢はセルフケアで大部分を除去できる可能性があります。
次に挙げる方法を取り入れて実践し、歯垢予防に努めてください。
【歯垢を除去・予防する方法①】丁寧に歯磨きをする
歯垢を取る方法として最も有効な方法は、丁寧に適切なタイミングでで歯磨きをすることです。歯の噛み合わせの面や歯の表側、裏側を分けて磨いてください。
磨き残しがないよう、磨く順番をあらかじめ決めておくことをおすすめします。
歯ブラシを歯の表面に当てる際は、毛先を歯と歯の間、歯と歯茎の境目に当てるイメージで力を抜いて磨きましょう。
力を入れすぎると歯や歯茎を傷付ける可能性があるため、注意してください。また歯ブラシは大きく動かすのではなく、小刻みに動かすのがコツです。
【歯垢を除去・予防する方法②】歯間ブラシやデンタルフロスを使用する
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の隙間が狭い箇所にアプローチしにくいです。
そのため、歯間ブラシやデンタルフロスを使用してください。。
歯と歯の隙間は、部位によってさまざまです。これに伴い、歯間ブラシやデンタルフロスにはさまざまなサイズが存在します。ご自身の歯に合ったものを選択しましょう。
【歯垢を除去・予防する方法③】食後に歯磨きをする
食後は、口内が酸性になり、細菌の活動が活発になります。
1日以上溜まった歯垢を放置すると、細菌の増殖が進み、徐々に歯周病のリスクは高まります。食後はすぐに歯磨きをしましょう。外出先で食事をするケースが多い方は、携帯用の歯ブラシを常備することをおすすめします。
また就寝中は、口の中が乾燥して唾液の分泌が減少します。
唾液の分泌が減少すると、口内細菌の活動が活発化し、歯垢が溜まる原因になります。
万が一、口内に汚れや食べかすが残った状態のまま就寝した場合、細菌がより活発化してしまうでしょう。
細菌の活動が活発化しないためにも、食後も必ず歯磨きをしておきましょう。
まとめ
今回は、歯垢がなぜ溜まるのか、どのように予防していけばいいかについて解説しました。
歯垢(プラーク)とは、食べかすや細菌のかたまりのことです。
一方で歯石とは、歯に付着した歯垢が口内の成分と結合して発生するものです。歯垢を放置すると、2〜3日程度で石灰化が始まり、歯石へ変化します。
歯垢が溜まりやすい人の特徴は以下4つです。
- 歯磨きが上手くできていない
- 歯列矯正を行っている
- 歯並びが悪い
- 歯垢の原因となる食べ物を食べる
歯並びが悪い場合は、なるべく歯列矯正を行い、上手に歯磨きをする必要があります。
また歯垢の原因となる食べ物を控えることも効果的です。
また歯垢を除去・予防する方法は以下3つです。
- 丁寧に歯磨きをする
- 歯間ブラシやデンタルフロスを使用する
- 食後に歯磨きをする
歯磨きをする際は、歯垢が溜まりやすい場所をあらかじめ把握した上で、丁寧に磨きましょう。
歯垢除去・予防を徹底し、健康的な口内環境を維持できるよう、日頃からセルフケアに努めてください。
記事執筆者
廣瀬哲人
株式会社ENロジカル代表
京都大学医学部医学研究科在学中に脳神経の形成機構の研究に従事。
在学中に起業し、事業売却を経験。
自身もwebのディレクターとして従事し、経営する会社ではいくつものwebメディアを運営している。
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記事監修者
歯科医師/岡本孝博
高知県の僻地出身
高校卒業後、アパレル業界へ。デザイナーを経験後、歯科医師になる。
2008年より、京都大学医学部附属病院に勤務。基幹病院病棟医長/外来医長、地域基幹病院歯科口腔外科の所属長、地域医療連携における部門部長、難治性外来非常勤医師を務める。また、研修指導医取得はじめ数々の認定医資格を取得
2018年に㈱スクリエを創業